鉄欠乏性貧血
ヘモグロビンの低下とMCVの縮小が並べば鉄欠乏が強く疑われ、フェリチンで貯蔵鉄が実際に減っているかを確かめます。ただし血液検査は「なぜ鉄が失われたか」までは示さないため、月経や消化管からの出血を別に調べる必要があります。
ヘモグロビンMCVフェリチン血清鉄TIBC
検査項目インデックス
健康診断や人間ドック、外来の採血で印字される項目を、報告書と同じ順番で一つずつ並べました。それぞれ一行で「何を測っているのか」を示しています。手元の結果で気になる行をここで見つけ、その項目が判断に関わる病気へたどってください。
項目インデックス
並び順は検査室が報告書を組み立てる順番に合わせています。まず血算、続いて肝・胆道系、腎機能と電解質、血糖と脂質、甲状腺とホルモン、最後に鉄代謝・ビタミン・炎症です。基準値は測定機器と方法によって施設ごとに違うので、必ずご自身の報告書に印字された範囲と比べて読んでください。
病気との対応
血液検査だけで病名が決まる場面はほとんどありません。ここでは、それぞれの病気について血液検査がどこまで語れるのか、そしてどの項目を組み合わせて読むのかを正直に整理しました。最終的な判断は、症状や診察、画像検査と合わせて医師が行います。
ヘモグロビンの低下とMCVの縮小が並べば鉄欠乏が強く疑われ、フェリチンで貯蔵鉄が実際に減っているかを確かめます。ただし血液検査は「なぜ鉄が失われたか」までは示さないため、月経や消化管からの出血を別に調べる必要があります。
ヘモグロビンMCVフェリチン血清鉄TIBC
HbA1cと空腹時血糖は、糖尿病の診断基準に区切りとして組み込まれている数少ない項目です。それでも一度の値では確定せず、別の日の再検査か、症状や経口ブドウ糖負荷試験と合わせて判断されます。
HbA1c空腹時血糖インスリン中性脂肪ALT
ALTの軽い上昇が続き、中性脂肪やHbA1cも高めという組み合わせは、日本の健診で最もよく見る脂肪肝のパターンです。確認は腹部超音波などの画像で行い、血液検査は見つける入り口と経過の目安として働きます。
ALTASTγ-GTP中性脂肪HbA1c
γ-GTPの上昇に加えてASTがALTを上回る形は、飲酒による肝障害を示唆する古くからの読み方です。ただし薬剤や胆道の病気でも似た形になるため、飲酒量の聞き取りと画像検査が欠かせません。
γ-GTPASTALTMCV血小板数
ALTの持続する上昇に、血小板数の緩やかな低下やアルブミンの低下が重なると、肝臓の線維化が進んでいる可能性を考えます。ウイルス性かどうかは肝炎ウイルス検査で、進行度は弾性測定や画像で確かめます。
ALTAST血小板数アルブミン総ビリルビン
eGFRは一度の値では判断せず、3か月以上の低下が続いて初めて慢性と位置づけられます。クレアチニンは筋肉量に左右されるため、尿蛋白の有無と合わせて読むのが日本の健診での基本です。
eGFRクレアチニン尿素窒素カリウムヘモグロビン
TSHが上がりFT4が下がる組み合わせが典型で、甲状腺の病気は血液検査が最も直接的に働く分野の一つです。背景に自己免疫があるかは抗TPO抗体で示唆され、確認には超音波が使われます。
TSHFT4抗TPO抗体LDL-Cヘモグロビン
TSHが測定下限まで下がり、FT4とFT3が上がる形が典型です。原因がバセドウ病か一時的な甲状腺炎かは血液検査だけでは決まらず、抗体検査やシンチグラフィで区別します。
TSHFT4FT3ALP総コレステロール
脂質の値そのものが心臓病を意味するのではなく、年齢・血圧・喫煙・家族歴と一緒にリスク評価へ入る材料です。中性脂肪が高い人ではnon-HDLコレステロールのほうが実態をよく表します。
LDL-CHDL-C中性脂肪non-HDL-C総コレステロール
尿酸値が高いことは痛風のリスクを示しますが、発作の最中はむしろ下がることがあるため、痛いときの値だけでは判断できません。診断は関節の症状と、必要なら関節液の検査で行われます。
尿酸クレアチニンeGFR中性脂肪CRP
腹囲に加えて、中性脂肪・HDLコレステロール・空腹時血糖・血圧のうち複数が基準を超えると該当します。血液検査は判定に使う数値を提供するだけで、腹囲と血圧の測定なしには成立しません。
中性脂肪HDL-C空腹時血糖HbA1c尿酸
好中球の増加とCRPの上昇が並べば細菌性に傾き、リンパ球が主体の変化はウイルス性を思わせます。どちらも感染している場所までは示さないため、血液検査が決めるのは「どれだけ急ぐか」であって「どこを診るか」ではありません。
白血球数好中球リンパ球CRPESR
MCVの上昇が先に現れ、ビタミンB12と葉酸の測定で不足が確かめられます。B12不足はしびれなどの神経症状が貧血より先に出ることがあるため、血算が正常でも症状があれば測る価値があります。
MCVビタミンB12葉酸ヘモグロビンLD(LDH)
25-OHビタミンDは体内の貯蔵量を反映し、日照の少ない季節や屋内中心の生活で下がりやすい項目です。低値そのものが病気なのではなく、骨密度やカルシウム、生活習慣と合わせて意味づけされます。
25(OH)DカルシウムALPアルブミン
最初の一巡では血算、フェリチン、TSH、HbA1c、肝腎機能、ビタミンB12、25-OHビタミンD、CRPを見るのが定石です。鉄欠乏と甲状腺機能低下、気づかれていない糖尿病がかなりの割合を占め、すべて正常なら原因は睡眠や気分、薬剤など血液検査の外にあります。
ヘモグロビンフェリチンTSHHbA1c25(OH)DCRP
検査報告書をアップロードすると、一行ずつその項目自身の基準範囲に照らし合わせ、外れているところに印を付けて、その数値が何を意味するのかをふだんの言葉で説明します。登録は不要で、1分ほどで結果が出ます。
無料で検査結果を解析する健康情報の参考としてお使いください。医師の診断や、検査機関が発行する正式な報告書に代わるものではありません。
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よくある質問
基準範囲は健康な人の結果の中央95%から引かれた線なので、定義上、健康な人でも20人に1人はどこかの項目で範囲を外れます。30項目が並ぶ健診の用紙に矢印が一つも付かないほうが、統計的にはむしろ珍しいくらいです。本当に見るべきなのは、どれだけ大きく外れているか、複数回の検査で同じ方向へ動いているか、そして症状と噛み合うかどうかの3点です。
各検査室は自分たちの測定機器と測定法、対象となる集団に合わせて基準範囲を検証する必要があり、単位も施設によって異なることがあります。だからこそ、ある数値は必ずその結果が印字された用紙の範囲とだけ比べるべきで、去年の別の施設の数字と直接並べて高い低いを論じると誤った結論に行き着きやすくなります。
血算、肝機能、腎機能、甲状腺機能、フェリチンは空腹である必要がありません。空腹時血糖と空腹時インスリンは8〜12時間の絶食が要ります。脂質の中では中性脂肪が直前の食事の影響を最も強く受けるため、原則10時間以上あけて測ります。HbA1cはいつ採血しても有効です。前日の飲酒と激しい運動は、いずれの項目でも避けてください。
一般的な最初の一巡は、血算、フェリチン、TSH、HbA1c、肝腎機能、カルシウム、ビタミンB12、葉酸、25-OHビタミンD、CRPです。鉄欠乏、甲状腺機能低下症、そして気づかれていない糖尿病が、この段階で見つかる原因のかなりの部分を占めます。これらがすべて正常であれば、原因は睡眠や気分、服用中の薬など、血液検査には映らないところにある可能性が高くなります。
ごく一部では確定に近づきます。HbA1cは糖尿病の判定基準に組み込まれており、TSHとFT4の組み合わせは甲状腺機能低下症を定義します。しかし大半の病気はそうではなく、血液検査の役割は可能性を絞り込み、重症度を測ることにとどまります。痛風はその分かりやすい反例で、発作の真っ最中に尿酸値が基準内ということが実際に起こります。
項目によって変化の速さが違います。CRPと白血球数は数日で動くので、急性の変化が収まったかは1〜2週間後に見直せば分かります。フェリチン、HbA1c、脂質は月単位で動くため、生活や治療を変えたあとは通常3か月後に測ります。境界のeGFRは、急性か慢性かを区別するために3か月の間隔が必要です。実際の間隔は、状況に応じて主治医が決めます。